今日は、イオン結晶の問題。この記事では、イオン結晶とは?(イオン結合で結合している結晶)という話や、イオン結晶の見分け方を解説していこう。
では問題(センター試験2017年化学基礎)。
イオン結晶でないものを選ぶ問題。
解説いくよ。
予備知識:イオン結晶とは?
まずイオン結晶とは?というところを解説しよう。
イオン結晶とは、イオン結合で結合している結晶のことだ。
イオン結合というのは、プラスの電荷を持つものと、マイナスの電荷を持つものの間で働く、“プラスとマイナスが引き合う力”=“クーロン力”による結合のことだ。
たとえば、料理でつかう塩。食塩。塩化ナトリウム。
プラスの電荷を持つNa+と、マイナスの電荷を持つCl-の間には、クーロン力(プラスとマイナスが引き合う力)が働いている。
塩化ナトリウムは、イオン結合で結合している結晶だから、“塩化ナトリウムはイオン結晶だ”ということになる。
解説:イオン結晶の見分け方
じゃあ問題の選択肢を、イオン結晶かどうか、見分けていこう。
結論から言うと、①の二酸化ケイ素SiO2以外はイオン結晶だ。①以外を見ていこう。
イオン結晶であるものは、上図のように陽イオン(プラスの電荷を持つ原子(原子団))と、陰イオン(マイナスの電荷を持つ原子(原子団))に分けられる特徴がある。
(陽イオン、陰イオンに分けられたらそれはイオン結晶と判断していい。)
ひとつずつ見ていこう。
②の硝酸ナトリウムは、ナトリウムイオンNa+と、硝酸イオンNO3-に分けられる。
③の塩化銀は、銀イオンAg+と、塩化物イオンCl-に分けられる。
④の硫酸アンモニウムは、アンモニウムイオンNH4+と、硫酸イオンSO42-に分けられる。
⑤の酸化カルシウムは、カルシウムイオンCa2+と、酸化物イオンO2-に分けられる。
⑥の炭酸カルシウムは、カルシウムイオンCa2+と、炭酸イオンCO32-に分けられる。
これら②~⑥はイオン結晶だ。
これに対して①の二酸化ケイ素は分子結晶。
分子結晶については、別の記事で解説する。
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